背広の裾に入っている切れ目のことを「ベント」といい、
これには切れ目の入り方によっていくつか種類があります。

背広の真ん中に切れ目が入っているタイプを
「センターベント」といいます。
これは乗馬をする際にジャケットの裾周りが突っ張らず、
動きやすくするために切り込みを入れたのが
最初であるといわれています。
ちなみに、ベントとはフランス語で「風」という意味です。
なんとなく馬に乗ってジャケットの裾が
風に翻る様子が想像できますね。

背広の両端に切れ目が入っているタイプは
「サイドベンツ」といいます。
ベントが二つあるので「ベンツ」と複数形になっているわけです。
これは西洋の騎士が馬上で剣を抜くとき
邪魔にならないように作られた、という説があります。

ビジネススーツでは
このセンターベントとサイドベンツが多く普及しており、
特にイギリスでは後者が多くなっています。

なお、後ろ身頃に切れ込みがないタイプを
「ノーベント」といいます。
機能性より見た目を重視したフォーマルなタイプで、
冠婚葬祭などの場で着られることが多いです。